さかうえクリニック いたみ通信

西宮市のペインクリニック さかうえクリニック 〒662-0971 西宮市和上町1-16日本生命西宮ビル1階 Tel 0798-38-8388           ペインクリニック専門医 頭痛専門医                     ペインクリニック(痛みの治療) 頭痛外来

2012年10月31日水曜日

インフルエンザワクチン予防接種 2012


インフルエンザワクチン予防接種を開始いたしました。

当院では痛みが少ない注射を目指して特注した30Gの極細針を使用しています。


在庫が無くなるまで、予防接種を続けています。予約は不要です。


2012年10月13日土曜日

片頭痛の誘因



片頭痛発作は種々の因子に影響を受けやすいと考えられています、

  • ストレス 精神的緊張 疲れ 睡眠不足 睡眠過多
  • 月経周期
  • 天候の変化 温度差
  • アルコール チーズ チョコレート ワイン
などの誘発因子が知られています。

誘発因子には個人差があるため、ご自分の片頭痛発作がどのような状況下で起こりやすいかを把握しておくことが大切です。

光線過敏がある方はモニターの光を落としたり、夏場の日よけ対策(サングラスや日傘)が有効ですし、音過敏のある方は環境音や耳栓を常備しておくと良いでしょう。

食品で誘発される事はありますが、頭痛発作が誘発されなければ、上記に上げた食品を避ける必要はありません。

頭痛ダイアリーを記録し、どういう状況で頭痛が起こりやすいかを知ることで片頭痛発作の予防につながります。




片頭痛でお困りの方は頭痛専門医の頭痛外来

2012年10月12日金曜日

痛みの治療薬 抗けいれん薬


鎮痛効果の期待できる代表的な抗てんかん薬には
( )内は商品名

などがあります、

プレガバリン・ガバペンチンは三環系抗うつ薬と共に、
帯状疱疹後神経痛を代表とする神経障害性疼痛に対する第一選択薬です。

また、カルバマゼピンは三叉神経痛に対する第一選択薬です。

バルプロ酸ナトリウムやトピラマートは片頭痛発作の予防薬として、用いられています。

このように、鎮痛効果が期待できる抗けいれん薬でも病態によって様々に使い分けをするのです。

神経障害による痛み消炎鎮痛薬が効きにくい痛みで、抗うつ薬や抗けいれん薬、神経ブロックなど痛みに関する専門教育を受けた疼痛専門医による診断・治療が必要となります。

長引く頑固な痛みにお悩みのかたは


へご相談ください。



2012年10月11日木曜日

鎮痛目的で処方される抗うつ薬


鎮痛目的で使用される抗うつ薬には主に

  • 三環系抗うつ薬
  • セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)
があります。以下の特徴があります

1. 三環系抗うつ薬  ( )内は商品名
  • 下降形抑制系でのセロトニン・ノルアドレナリンの濃度を上昇させることで鎮痛効果を発揮する
  • 神経障害性疼痛の第1選択薬である
  • アミトリプチリン(トリプタノール)、ノルトリプチリン(ノリトレン)では痛みに対するエビデンスが豊富だが、イミプラミン(トフラニール)、クロミプラミン(アナフラニール)では少ない
  • 眠気、口渇などの副作用があり高齢者には使いにくい
  • 緑内障の方には使えない


2. セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬 [SNRI]
  • セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害し鎮痛効果を発揮
  • 三環系抗うつ薬より副作用は少ない
  • ミルナシプラン(トレドミン)、デュロキセチン(サインバルタ)が代表的

三環系抗うつ薬の慢性的な痛みに対する効果は様々な疾患で確認されています
  • 神経障害性疼痛に対する治療薬(第1選択薬)
  • 帯状疱疹後神経痛
  • 糖尿病性末梢神経障害
  • 脊髄損傷後疼痛
  • 慢性腰痛症
  • 片頭痛発作の予防薬
  • 小児片頭痛の予防薬
  • 緊張型頭痛発作の予防薬

このように様々な痛みに対して効果がありますが、服用を始めてから効果が出てくるまでに数週間かかることがあります。


神経障害を思わせる痛み、慢性頭痛でお困りの方は




2012年10月8日月曜日

群発頭痛 キリでえぐられるような痛み


発作中、激烈な痛みでじっとしても耐えられないような頭痛は群発頭痛の可能性があります

「目を錐(キリ)でえぐられるような痛み」と表現される方もいらっしゃる位です

通常、痛くなるのは頭のどちらか片側だけで鼻汁や鼻づまり
涙が出たり、結膜充血、まぶたが腫れることもあります



国際頭痛分類第2版によれば

1. 一側性で重度〜きわめて重度の頭痛が眼窩部、眼窩上部、側頭部の何れかの部位に生じる 15分〜180分続く

2. 少なくとも以下の項目を1つ伴う

  • 結膜充血または流涙(あるいはその両方)
  • 鼻閉または鼻漏(あるいはその両方)
  • 眼瞼浮腫
  • 前頭部および顔面の浮腫
  • 縮瞳または眼瞼下垂(あるいはその両方)
  • 落ち着きがない、あるいは興奮した様子
3. 2日に1回から1日8回

と定義されています

まとめると
  • 片側に起こる激烈な頭痛で、鼻づまりや涙が出ることが多い
  • 男性に多く、お酒や煙草で頭痛発作が誘発される
  • 数ヶ月の群発期間が過ぎると、頭痛発作が無くなる期間がある(寛解期)

急性期治療はトリプタン(イミグラン)や酸素投与、予防治療にはカルシウム拮抗薬(ワソラン)を用います
( )内は商品面

また、群発頭痛期には禁酒・禁煙し誘発因子を遠ざけること、規則正しい生活を送ることが大切です

頭痛でお困りの方は頭痛専門医の頭痛外来

2012年10月7日日曜日

ぎゅっと締め付けられる頭痛 緊張型頭痛


頭全体がぎゅっと締め付けられるような頭痛を緊張型頭痛と言います、肩こりを伴うことが多く最も頻度が高い頭痛の一つです

緊張型頭痛の診断は、国際頭頭痛分類第2版からの抜粋

下記の項目の少なくとも2項目を見たし

  • 両側性
  • 圧迫感または締め付け感(非拍動性)
  • 強さは軽度から中等度
  • 歩行や階段の昇降のような日常的な動作により増悪しない
なおかつ、以下の両方を満たす
  • 悪心や嘔吐はない(食欲不振を伴うことはある)
  • 光過敏や音過敏があってもどちらか一方のみ
緊張型頭痛と片頭痛を大まかに分けると

緊張型頭痛の特徴は
  • 日常的な動作でも動ける
  • 悪心、嘔吐がない(食欲不振を伴うことはある)
  • 光・音過敏があっても光か音どちらか一つ
片頭痛の特徴は
  • 日常動作で悪化する
  • 悪心、嘔吐がある
  • 光・音過敏両方ある

片頭痛と緊張型頭痛が合併する(2つの頭痛を持っている)事も多いです。



治療は症状に合わせて、

  • 急性期治療薬(消炎鎮痛薬)
  • 頭痛予防薬(抗うつ薬、筋弛緩薬)
  • 神経ブロック治療
を行っていきます。



頭痛でお困りの方は頭痛専門医の頭痛外来


2012年10月6日土曜日

三叉神経痛の治療薬 カルバマゼピン


三叉神経痛は別名 疼痛性チックとも言われ、
顔面に生じる痛みの中でも、最も痛みの強い部類に含まれます。

三叉神経痛の詳しい症状は
過去のブログを参照してください(文字をクリックして下さい

三叉神経痛の治療は主に薬物療法です、

第1選択がカルバマゼピン(テグレトール)
第2選択薬がラモトリギン(ラミクタール)、バクロフェン(リオレサール・ギャバロン)です

(  )内は商品名


三叉神経痛の治療薬
  • カルバマゼピン(テグレトール)
  • ラモトリギン(ラミクタール)
  • バクロフェン(リオレサール、ギャバロン)


カルバマゼピン(テグレトール)は現在では三叉神経痛以外の神経障害性疼痛には殆ど使用されなくなりました

三叉神経痛に対するカルバマゼピン(テグレトール)の効果は非常に高いのですが、眠気や発疹などの副作用を確認するため、治療の初期には定期的な観察が必要となります



2012年10月5日金曜日

後頭神経痛

西宮市のペインクリニック さかうえクリニック

頭におきる神経痛、特に後頭部におきる 発作的な突くような痛みは 後頭神経痛の可能性があります。

後頭部には後頭神経という神経が走行しており、髪の生え際から頭頂部(頭のてっぺん)にかけてきりきりと突き上げるような発作的な痛みを生じることがあります。

国際頭痛分類第2版による後頭神経痛の診断基準では

  • 発作性の刺痛(さすような痛み)が大後頭神経、小後頭神経または第3後頭神経のいずれか1つ以上の支配領域に生じ、うずく痛みが発作間歇期(発作が無い時)に持続する場合もあれば持続しない場合もある
  • 圧痛は罹患神経上にある(痛みがはしる方向を押さえると、痛む場所がある)
  • 局所麻酔薬を用いた神経ブロックにより痛みは一時的に軽減する

後頭神経痛の診断基準に神経ブロックが盛り込まれているのは、治療が即ち診断につながる事を示しています。

後頭部の刺すような、突き上げるような発作的な痛みは後頭神経痛の可能性があります。
局所麻酔薬を使っての後頭神経ブロックが適応となるかは頭痛外来でご相談下さい。


頭痛でお困りの方は頭痛専門医の頭痛外来












2012年10月4日木曜日

片頭痛予防薬 バルプロ酸ナトリウム


片頭痛の予防療法に用いられるお薬には
( )内は代表的な商品名
  • カルシウム拮抗薬(ミグシス、テラナス)
  • ベータ遮断薬(インデラル)
  • 抗うつ薬(トリプタノール)
  • 抗てんかん薬(デパケン、セレニカ、バルプロ酸ナトリウム)
などが現在使用されています。

抗てんかん薬のデパケン、セレニカ(成分はバルプロ酸ナトリウム)は2010年に片頭痛の予防療法として保険適応が認められました。

片頭痛発作の

  • 頻度、重症度、頭痛持続時間の改善
  • 急性期治療薬(トリプタンや鎮痛薬)の反応の改善
  • 生活への支障度の改善


を目的として予防薬を処方します


なお、バルプロ酸は吸収による個人差が大きいので

投与量の目安とするために定期的に有効血中濃度を測定する事が必要です


また、バルプロ酸ナトリウムを服用している方では便の中に白い錠剤のかけらが排泄させることがあります。

これは薬物の成形する為に用いられる添加剤(乳糖やでんぷん)で効き方に問題はありません。

賦形剤、ゴーストピルとも呼ばれます。



片頭痛でお困りの方は頭痛専門医の頭痛外来



2012年10月3日水曜日

片頭痛の予防療法



片頭痛の薬物治療には頭痛発作があるときに服用する急性期治療薬と
頭痛発作が無い時にも頭痛予防の為に服用する予防療法薬があります。


片頭痛発作の頻度が多い場合、急性期治療薬を用いても日常生活に支障がある場合は、予防治療薬を検討してみることが勧められています。

代表的な片頭痛予防薬には次のようなものがあります。

  • カルシウム拮抗薬(ミグシス、テラナス)
  • ベータ遮断薬(インデラル)
  • 抗うつ薬(トリプタノール)
  • 抗てんかん薬(デパケン、セレニカ、バルプロ酸ナトリウム)
  • ボツリヌス毒素(ボトックス)
  • アンギオテンシン変換酵素阻害薬
  • アンギオテンシンⅡ受容体阻害薬

頭痛の頻度、程度、生活への支障度、共存症などによって予防薬を使い分けていきます。

片頭痛でお困りの方は頭痛専門医の頭痛外来

2012年10月2日火曜日

片頭痛の薬物治療


片頭痛の薬物治療法には大きく分けて、

  • 頭痛発作時に服用する急性期治療薬
  • 頭痛が無い時も定期的に服用する予防治療薬
があります。

急性期治療薬は頭痛の頻度、重症度に応じて単独・もしくは組み合わせて処方します。
( )内は代表的な商品名

1)急性期治療薬

  • 非ステロイド性抗炎症薬(ロキソプロフェン、ボルタレン)
  • アセトアミノフェン(カロナール)
  • エルゴタミン製剤
  • トリプタン(イミグラン、ゾーミッグ、マクサルト、レルパックス、アマージ)
  • 制吐薬(ナウゼリン、ドンペリドン)


片頭痛発作が月に2回以上ある患者では予防治療の実施について検討してみることがすすめられますが、急性期治療を行っても日常生活に支障がある場合に考慮されることが多いです。




2)予防治療薬
  • カルシウム拮抗薬(ミグシス、テラナス)
  • ベータ遮断薬(インデラル)
  • 抗うつ薬(トリプタノール)
  • 抗てんかん薬(デパケン、セレニカ、バルプロ酸ナトリウム)
  • ボツリヌス毒素(ボトックス)
  • アンギオテンシン変換酵素阻害薬
  • アンギオテンシンⅡ受容体阻害薬


片頭痛発作の頻度と程度、日常生活動作がどれだけ支障されるかにより

  • 急性期治療薬単独
  • 急性期治療薬と予防治療薬との組み合わせ

によって治療していきます。


片頭痛でお困りの方は頭痛専門医の頭痛外来


2012年10月1日月曜日

片頭痛


片頭痛で悩んでいる方が多いですね、日本では人口の8.4%、20歳から40歳の女性に多いと(文献1)報告されています。

片頭痛の診断は国際頭痛学会の頭痛分類(第Ⅱ版)によって行います。
前兆のない片頭痛では


1)2)ー4)を満たす頭痛が5回以上

2)頭痛の持続時間は4から72時間

3)以下の特徴のうち2項目を満たす
  • 片側性
  • 拍動性
  • 中等度から重度の頭痛
  • 日常的な動作で頭痛が増悪、あるいは頭痛のために日常動作を避ける
4)以下の1項目を満たすその他の疾患によらない

  • 悪心または嘔吐
  • 光過敏および音過敏


片頭痛は一般的には頭の片側に起こって、ずきんずきん(拍動性)する頭痛と考えられていますが、

上記の診断基準に照らせば

両側性で、締め付け感のある頭痛でも、

  • 寝込んだり
  • 動作で悪化
  • 吐き気を伴う頭痛
であれば片頭痛と診断できます

また、肩こりを伴うことが多いので、片頭痛を緊張型頭痛と診断してしまう例も多々見受けられます。

国際頭痛分類(第Ⅱ版)に従えば

吐き気を伴い、日常生活動作で悪化する頭痛は
肩こりがあっても緊張型頭痛ではなく、片頭痛
と診断出来るのです


片頭痛でお悩みの方は頭痛専門医の頭痛外来、
  

文献1 Sakai & Igarashi Cephalalgia 1997;17(1):15-22